醤油のルーツは古代中国の「醤(ジャン)」に遡ります。肉や魚、穀物を塩漬けにして発酵させた調味料が、東アジア各地に広まりました。日本へは奈良時代に「醤」として伝わったとされています。
鎌倉時代、禅僧の覚心が宋(中国)から味噌の製法を持ち帰り、和歌山県の興国寺で味噌づくりを始めました。その過程で樽底に溜まった液体が「溜(たまり)」=醤油の原型となりました。
江戸時代に入り、千葉県の野田や銚子で大量生産が始まりました。濃口醤油が誕生し、江戸の食文化(寿司・蕎麦・天ぷら)と共に爆発的に普及。「下り醤油」として全国に流通しました。
明治以降、醤油は工業化と品質管理の進化を遂げました。現在では100カ国以上に輸出され、和食の世界遺産登録(2013年)と共に「UMAMI」の源として世界中で愛されています。
大豆を蒸し、小麦を炒って砕きます。この二つが醤油の味の基盤です。
蒸した大豆と炒った小麦に麹菌を加え、約3日間かけて醤油麹を作ります。
醤油麹に食塩水を加えて「諸味(もろみ)」を作り、大きな桶に仕込みます。
約6ヶ月〜3年、微生物の力でじっくり発酵・熟成。定期的に撹拌して均一に。
熟成した諸味を布で包み、ゆっくり搾って「生揚げ醤油」を取り出します。
加熱殺菌(火入れ)で香りを引き立て、色を整えて、醤油の完成です。
日本で最も一般的な醤油。全生産量の約80%を占めます。バランスの良い味わいで、料理から卓上まで万能に使えます。
色が薄く塩分は濃口より高め。素材の色を活かしたい煮物や汁物に最適。関西料理の繊細な味を支える立役者です。
大豆を主原料とし、小麦をほぼ使わない醤油。とろみがあり濃厚な旨味が特徴。刺身や照り焼きに最高です。
醤油で醤油を仕込む贅沢な製法。色・味・香りすべてが濃厚。「甘露醤油」とも呼ばれ、つけ醤油として絶品です。
小麦を主原料とした琥珀色の醤油。甘みがあり香り高い。茶碗蒸しやお吸い物など、色を付けたくない料理に重宝します。
国内の年間醤油生産量
(約72万キロリットル)
全国に残る醤油醸造所
各地域の風土が味を生む
日本における醤油の歴史
鎌倉時代から続く発酵文化
日本の家庭での醤油保有率
まさに国民的調味料
毎年春に行われる醤油蔵の蔵開きイベント。普段は見られない醸造の様子や、搾りたての生醤油の味わいなど、醤油の奥深さを体験できる絶好の機会です。
関東の濃口、関西の淡口だけじゃない!九州の甘い醤油から東北の旨味が強い醤油まで、日本各地の醤油文化の違いを深掘りします。
パリのミシュラン星付きレストランからニューヨークのストリートフードまで、醤油は世界中のキッチンで新しい味を生み出しています。